子どものむし歯治療はどのように行うのでしょうか?

[ 編集者:歯学部附属病院   2014年11月11日 更新 ]

幼少時の記憶は断片的なものですが、歯科治療を嫌な経験として記憶されている方もおられるのではないでしょうか。今回は、小児歯科におけるむし歯治療に対するアプローチをお話ししたいと思います。

 

虫歯治療の方針

 

年齢に応じた治療の進め方

小児歯科では、初診の時点で0歳から中学校卒業くらいまでの患者さんを担当しています。
これは、乳歯が生え始めてから親知らずを除く全ての永久歯が生え終わる頃の年齢に当たります。

3歳頃までは、歯科医師とのコミュニケーションを取ることは難しく、お子さんが診療室にいる間は、保護者の方にも同席していただいています。
この時期は、よほどの理由がない限り、むし歯の進行を止める処置や予防処置がメインになります。

一方で、個人差はありますが、3歳を過ぎた頃から、歯科医師とのコミュニケーションを取ることができるようになってきます。
この時期からは、本格的な治療を開始できるようにしていきます。

保護者の方には、できるだけお子さんの傍を離れていただき、お子さんと担当歯科医師との間で1対1の信頼関係を築くようにしていきます。

 

実際の処置にあたって

 

治療の工夫

写真1

写真1

最大の難関は麻酔を行うことですが、子どもの目線が及ばないところに器具を配置して操作したり、できるだけ針の痛みを感じにくいようにしたり工夫しています。

実際にむし歯を削り取る前には、処置内容をお子さんに簡単に説明した上で、全ての処置内容を鏡で見せて説明しながら行っていきます(写真1)。

特別な器機でより安全に

写真2

写真2

基本的には「ラバーダム」という装置を使用して、処置する歯だけを露出させて、その他の部分はラバーシートで覆ってしまいます(写真2)。

そうすることで、子どもにとって処置する歯が分かりやすくなるだけではなく、処置時に生じる水や用いる薬剤が喉の方に流れていかないようにできます。
また、むし歯を削り取っていく際に、器具で粘膜や舌などを傷つけることを防止する効果もあります。

 

保護者の方へ

 

子どもたちへの接し方

治療を上手に受けられないこともありますが、保護者の方には十分褒めてもらうようにお願いしています。
子どもにとっては、保護者の方から褒められることが、何よりもうれしいものです。
重要なことは、保護者の方と担当歯科医師とが信頼関係を持って、お子さんのむし歯治療に臨んでいくことです。

一概にむし歯といっても、それが生じた背景や治療の進み具合には個人差があります。
お気軽に小児歯科のスタッフにご相談ください。

(小児歯科 科長 仲野和彦)

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