[ 編集者:歯学部附属病院 2014年3月4日 更新 ]
自分の口臭の強さは主観が入ったり、慣れがあったりするので、自分で判断するのは困難です。本院の口臭外来では、検査によって、「歯科医師が息を嗅いで悪臭を感じる場合や、息の中に口臭物質が高い濃度で含まれている場合」に「口臭がある」と診断します。
「口臭がある」と診断された患者さんに対しては、多くの場合歯科治療が非常に有効で、数ヶ月の治療によって「歯科医師が息を嗅いでも悪臭を感じず、息の中に口臭物質が検出できない」状態になります。
「口臭がある」と診断された場合、その原因の約8割が口の中の病気と言われています。歯周病にかかっているけれど治療を受けていない多くの方からは口臭が発生しますし、歯周病ではなくても、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目にネバネバした細菌の塊が残っていれば口臭が発生する場合があります。(写真1、2)
舌の上に溜まった細菌の塊(舌苔といいます)からも口臭が発生するのですが、舌が白いからといってこすり過ぎるのは要注意です(写真3)。舌の表面が角化すると、汚れていなくても白くなることがあります。また、舌は傷つきやすいため、専用のブラシで優しく掃除しないと出血や感染のおそれがあります。
歯科医師による口腔清掃を行った直後の息の中に、口臭物質が高い濃度で検出される場合には、口臭の原因として口の中以外の病気を疑います。今までに、副鼻腔炎(蓄膿症)が原因で口臭が発生していた患者さんが数名おられました。