タバコと歯周病の関係

[ 編集者:歯学部附属病院   2014年1月10日 更新 ]

タバコと歯周病の関係

今、全国で「健康日本21」という国民の健康づくり運動が進められています。そのなかで、歯周病予防として、喫煙が及ぼす歯周病への悪影響について正しい知識をもつことが目標のひとつに挙げられています。歯周病は歯周ポケットに棲みついた細菌によって起こりますが、タバコは歯周病の発症や進行に大きな悪影響を及ぼすリスク因子であることが明らかにされています。タバコが大きく影響したと考えられる重度歯周炎患者さんのお口の写真を示します。前歯部の歯肉にみられるように、発赤・腫脹はあまり強くなく、歯肉退縮が目立ちます。上顎前歯部にみられる歯肉メラニン色素沈着もタバコの影響と思われます。上顎臼歯部口蓋側歯肉では白く角化したところがみられます。小臼歯部には深い歯周ポケットは認められませんが、第一大臼歯には非常に深い歯周ポケットが存在します。このように、タバコを吸っている人の多くは、歯周病が進んでいるのに気づきにくく、前歯や臼歯の裏側で歯周ポケットが深くなったり、歯を支える骨が大きく減ったりしています。また、タバコを吸う人は、歯周治療やインプラント治療を行ってもなかなかうまくいかないケースが多くみられます。この問題の解決には禁煙が一番です。

喫煙関連性歯周炎(喫煙暦33年、1日30本)

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