歯科で行う麻酔の注射、私は大丈夫?
歯科治療で使用される局所麻酔薬にはアドレナリンが添加されています。アドレナリンには血管収縮作用があります。注射部位の血管を収縮させることで麻酔薬がその部位にとどまりやすくなり、麻酔の効き目を増強させたり、麻酔が効いている時間を長くしたりする効果があります。
しかし、一部は血液に溶け込んで血流に乗り全身にも影響を及ぼします。局所麻酔をした後、心臓がドキドキするような気がしたことはありませんか?これはアドレナリンが心臓にも作用し、心拍数を上昇させ、血圧も上昇させるためです。そのため、高血圧症の方や心臓の病気をお持ちの方では、アドレナリンが入っている局所麻酔薬を使用する際は注意が必要です。また、甲状腺の病気や糖尿病できちんと通院できていない、あるいは出されたお薬を適切に飲めていない方は、アドレナリンにより血圧や血糖値が上がりやすいため使用できない場合があります。さらに、抗うつ薬や抗精神病薬を常用されている方も、種類によってはアドレナリンにより逆に血圧が低下する可能性があるため、慎重な投与が必要です。このような患者さんの場合、心臓に作用しない血管収縮薬が添加された局所麻酔薬を使用することもできます。ただし効果が少し弱く、治療の内容によっては痛みが完全に取り除けない場合があります。
アドレナリンは局所麻酔薬の効果を引き出す重要な成分です。ただしその使用には注意が必要な場合がありますので、何らかの病気をお持ちの方、お薬をお飲みの方は、治療前に必ず申告をお願いいたします。

