はじめての歯医者さん体験!~小さな一歩を応援~
当院の障害者歯科治療部では、心や体に病気や障がいがあるため歯科治療を受けるのが難しい方々に向けて、一般歯科治療を行っています。特に発達障がいのあるお子さまの場合、「口に何かを入れるのが怖い」「音に敏感」「見通しが立たず不安」「何をされるかわからず不安」といった理由で歯科治療が難しくなることがあります。
そこで、「歯医者さんは怖い場所」というイメージを少しでも和らげ、将来にわたって口の健康を守るために、『歯医者さん体験プログラム』を実施しました。このプログラムは、NPO 法人View ぷらす フリースペースもなここの協力のもと、歯科受診の経験がないお子さまや、歯科への恐怖心の強いお子さまとご家族を対象に行われました。
プログラムは2024 年12 月27 日、診療終了後の特別な時間を利用して行われました。まず、診察室を自由に見学することから始まりました。
参加した子どもたちは診察室を興味深そうに見て回り、その後、歯科で使用する石膏を使った模型作りや、シリコン製の型どり材料でボール作りを体験しました。
歯科治療で実際に使う材料に触れながら、楽しそうに取り組む姿が印象的でした。次に、歯科用チェアに座って昇降を体験したり、鏡を使って自分の歯並びを確認したりする時間を設けました。
また、絵カードを見ながら歯みがきを練習したり、口の中を観察するためのミラーや唾液を吸い取る機械(口腔内バキューム)に触れる体験も行いました。中には勇気を出して機械を口に入れるお子さまもいて、少しずつ歯科の環境に慣れていく様子が見られました。
このプログラムを通じて、歯科治療への不安を軽減し、「歯医者さんは安心できる場所」と感じてもらえるきっかけになればと願っています。
大阪大学歯学部附属病院では、今後も、地域社会と連携し、誰もが安心して歯科医療を受けられる環境づくりなど、様々な活動に取り組んでまいります。


